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2007年2月10日 (土)

[お知らせ]第26回SGRAフォーラム「東アジアにおける日本思想史~私たちの出会いと将来~」

2月17日に行われる第26回SGRA[関口グローバル研究会]フォーラム「東アジアにおける日本思想史~私たちの出会いと将来~」のお知らせです。

SGRAについてはこちらをどうぞ。同サイトにも掲示がありますが、プログラムに若干変更があり、以下のもの(ニュースレターからの転載)が正式版とのことです。

**** 以下転載(一部改変) ****

■ 第26回SGRAフォーラムへのお誘い
「東アジアにおける日本思想史~私たちの出会いと将来~」

下記の通り第26回SGRAフォーラムを開催いたします。
参加ご希望の方は、ファックス(03-3943-1512)またはemail (
sgra.office@aisf.or.jp)でSGRA事務局宛ご連絡ください。[略]SGRAフォーラムはどなたにも参加いただけますので、ご関心をお持ちの皆様にご宣伝いただきますようお願い申し上げます。尚、1月12日に配信しましたご案内の後、発表者の変更がありましたのでご確認ください。

○日 時: 2007年2月17日(土)午後2時30分~5時30分 その後懇親会

○会 場: 東京国際フォーラム G棟510号室
   
http://www.t-i-forum.co.jp/function/map/index.html

○参加費: 無 料(フォーラム後の懇親会は、会員1000円・非会員3000円)

○申込み・問合せ: SGRA事務局

■フォーラムの趣旨

SGRA「グローバル化と地球市民」研究チームが担当する6回めのフォーラムです。
日本(人)思想は、現在、東アジアとの関係において、重要な局面に出会っていると思います。ただ、そのあたりは「表の政治」等では見えません。もっとそれをよく捉えるならば、そこから、21世紀の思想世界が見えるだろうとも思います。それは現在、大きな形で起こっている、思想・宗教の国際化・グローバル化の問題でもあるからです。そこで、この問題を、日本からのみならず、中国と韓国からの視点を加えながら、過去から学び、現在を分析し、将来を考えてみたいと思います。中国・韓国のことを研究しながら日本のことに関心をもつ日本人学生、日本のことを研究しながら自国のことに関心をもつ中・韓の留学生が増えて来ています。そういう人たちから、何かよいものが出て来ることを期待しています。

■プログラム(改訂版)

総合司会:藍 弘岳(東京大学総合文化研究科博士課程、SGRA研究員)

【基調講演】 日本思想史の「空白」を越えて
黒住 真(東京大学大学院総合文化研究科教授)

日本では過去に人々がどんな思想、また宗教性をもって生きて来たのか。そこへの関心、究明なくしては、現在の日本について、また、今後の日本について、十分な対話が出来ないのではないだろうか。日本は島国という性格故に、複数の多様な思想・宗教が入り、それが日本独自の構造をつくっている。宗教的には仏教・儒教・神道・キリスト教などがあり、また経済や法や芸術などの文化文明もある。そこに問題もあり、また可能性もある。私自身、日本研究の過程で、様々な思想に出会った。その中のいくつかを振り返りながら、将来への道を見出して行きたい。将来の日本へ向けての対話と議論、そのきっかけになれば幸いである。

【発表1】  東アジアにおける絡み合う思想史とその発見
韓 東育(東北師範大学歴史文化学院院長)

東アジアにおける思想は絡み合う歴史である。それが自明だとすれば、何故そこに「発見」という言葉を使うのか。それは近代までの中国側の感覚からは今や発見になるからである。換言すればかつて「華夷秩序」「朝貢システム」等によって形成された中国側の盲点がそこにある。近代以降、東アジアの問題を解決する鍵は、表面的には、西ヨーロッパの「万国公法」「国民国家」等の原則にあったかのようだ。しかし
実際は決してそれだけではなかった。「縦=歴史」の問題がうまく解(ほど)けなければ、「横=現実」の問題も適切に解決できない。実際、東アジア各国における摩擦は絶え間なく続いている。それは逆に、東アジアそのものが従来、切っても切れない連帯感を孕んだ特別な存在であったことも物語っている。このことは単なる地政の問題だけでなく、さらに、東アジアにおける絡み合う思想史の問題でもあろう。私自身このような問題に出会ってきた。そこからスタートしていきたい。

【発表2】  「もののあわれ」を通じてみた「朝鮮」
趙 寛子 (中部大学人文学部助教授)

私は韓日近代の思想について研究しているが、その関心は留学後、まずは近世の本居宣長から出発した。宣長は、儒学を批判し、漢意に汚れる以前の古道における和(みやび、もののあわれ)を日本的なものととらえた。18世紀後半の町人が日常の美的趣味として毎日、和歌を楽しむなかで彼の思想は生まれた。ところで、漢文を中心とする規範的な文化に抗し「実情」(もののあわれ)を表現する歌人は、同時代の朝鮮の平民文学にも見られる。はたして、朝鮮は「儒教の国」であろうか。宣長と同時代の朝鮮における「実情」を紹介しながら、その美的趣味をつうじて、「日本的なもの」「朝鮮的なもの」がいかに普遍的でありうるのかを考えてみたい。

【発表3】 越境の意味:私と日本思想史との出会いを手がかりに
林 少陽 (東京大学教養学部特任助教授)

中国で日本近代文学を専攻し、かたわら中国の近代文学をも研究してきた私にとって、留学後における日本思想史との出会いは、いろいろな意味で越境を意味しているものである。「日本」と「中国」とは、異なる国であることは贅言を要しないが、近代的な学問的な制度としての「日本」と「中国」との国境線を疑問視することは必ずしも自明的なものではない。この意味において「近代」とは人為的なイデオロギー的な設定でもある。この「近代」とは、「近代」「文学」「哲学」「歴史学」などの学問的な制度・「国境」から成っているものにほかならない。この意味において私の日本思想との出会いは「近代」・「文学」・「日本」・「中国」を実質上越境してし
まったものであろう。しかしそれは逆に「文学」なるものを理解するための重要な手続きかもしれない。以上のような視点から自分の「日本思想史」との出会いの感想を述べたい。

【パネルディスカッション】 東アジアにおける日本思想史~私たちの出会いと将来~
進行:孫 軍悦(東京大学大学院総合文化研究科博士課程、SGRA研究員)
パネリスト:上記講演者

■講師略歴

○ 黒住 真(くろずみ・まこと ☆ Kurozumi Makoto)

現在、東京大学大学院・総合文化研究科・地域文化研究専攻(アジア・日本)教授。1980年 東京大学大学院・人文科学科・倫理学専攻博士課程修了。 修道高等学校(広島市)卒。1950年 岡山市生。
著書:『複数性の日本思想』ぺりかん社、pp.1-543、2006.02、『一神教とは何か――公共哲学からの問い』(大貫隆・金泰昌・宮本久雄と共編)東大出版会、2006.3、pp.283-306、『近世日本社会と儒教』ぺりかん社、569頁、2003.4

○ 韓 東育(かん*とういく☆ Han Dongyu)

1962年生まれ。東北師範大学史学科卒、東京大学大学院総合文化研究科博士学位取得後、学術振興会特別研究員*東京大学客員研究員などを経由して帰国。現在、東北師範大学歴史文化学院教授*院長。専攻は東アジア思想史。
著書:『道学の病理』、北京:商務印書館、2006年版、『本体の解体と再建―日本思想史についての再解釈―』、上海社会科学院出版会、2005年版、『日本近世新法家研究』(博士学位論文):北京:中華書局、2003年版、『天人*人際*身心―中国古代における「終極的関心」思想研究』、長春:東北師範大学出版会、1994年版。

○ 趙 寛子(チョウ・クァンジャ ☆ Cho Kwanja)

1964年生まれ。ソウル大学校国文学科卒、東京大学大学院総合文化研究科博士学位取得修了。中部大学人文学部助教授。専攻は日韓近代思想、東アジア歴史・文化。
「民族の力を欲望した『親日ナショナリスト』李光洙」『解放前後史の再認識1』ソウル;チェックセサン、2006年。『植民地朝鮮/帝国日本の文化交錯―コロニアリズムと知の政治』(有志舎から2007年5月に出版予定)

○ 林 少陽(りん・しょうよう ☆ Lin Shaoyang)

1963年10月中国広東省生まれ。1979年9月に廈門(アモイ)大学外文系入学。1988年6月吉林大学大学院日本文学修士課程修了後、広東、香港で会社員として勤務する傍ら、研究と創作を続ける。1999年春留学で来日、大阪大学研究生、東京大学博士課程、東京大学助手を経て現在東京大学教養学部特任助教授。研究関心は、日本と中国近代の思想と文学、日中における言語と思想の問題であるが、具体的には「文」という、
「近代」によって排除された漢字圏の思想的文学的な概念に対する理論的な再考・再解釈を試みていることである。
著書に『「文」与日本的現代性』(北京:中央編訳出版社、2004年7月)『「イロニー」と「文」:西脇順三郎の詩学理論を手がかりに』(博士学位論文、2006年)、及びほかの日本・中国の思想・文学に関する論文があ
る。

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